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当然のことながら
舞衣との関係が深くなるにつれ
いわゆる "女友達" と言う曖昧な関係にある
女の子たちとの関わりは
いつしか自然淘汰されていった。
立場的に微妙だった美波はもちろんのこと
その他のクラスメイトやバンド関係の先輩後輩
看護学校の友人・・・
舞衣に対して何ら後ろめたさを感じずに
やり取りが出来るのは
今や有香と咲良だけになった。
そんな中に1人、厄介な存在が…
それは山大とサークル提携している
梅山女子大学、
通称「梅女」の軽音楽部に所属している
3年生の先輩、川崎亜美留だった。
僕からすれば取り立てて美人ではないが
非常に話しやすいタイプ、
そこで油断してしまうと
飲み会で悩みなど聞いてもらっている間に
上手く丸め込まれて
気に入った後輩をお持ち帰りしてしまう
そんな悪癖を持ち合わせている。
山大の後輩たちからは
「モンスター川崎」と呼ばれていた。
「中村くぅ~ん、今日は逃がさないから…ねぇ」
飲み会やライブの打ち上げの度にそう迫られ
いつもほうほうの体でその場から立ち去っていた。
飲み会の後、数日間はその余韻からか
しばしば川俣荘にも電話がかかってきたりする。
「彼女がいたってお相手だけでもしてあげればいいじゃないか、お前キライじゃないんだろ」
今日、僕は悟志と部屋でゲームしながら
あれこれ恋愛談義をしていた。
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