18. シングルベッド

10/12
前へ
/277ページ
次へ
いつしか僕たちは狭いベッドの上で 向き合ったまま無心で唇を重ね、 お互いの舌を淫らに絡ませていた。 ふと、舞衣が僕の唇を指先で拭いながら ーねえ、コウイチくん? 「今日はわたしがこんな体調だから…なんだけど、もしイヤじゃなかったら・・・」 「え?」 「わたしのお願い…聞いて」 僕は(あらが)うことも出来ず、ベッドに横たわったまま そのまま舞衣に体を委ねた。 「直接・・・さ…わっても、いい?」 ジャージを穿いていた僕の下半身は いつしか下着のみとなり 気づけば舞衣は僕の下着の中で直接、 その細い指を(うごめ)かせていた。 僕の理性もいつしか崩れ去り 気づけば舞衣の薄手のブラウスのボタンに 手を掛けている 舞衣の白い肌が露になり 上半身は淡い水色の下着を纏うのみとなった。 「ねぇコウイチくん…いい、かな?」 舞衣は潤んだ瞳で一瞬僕を見た後 そのまま股間へと顔を(うず)を口に含むと舌先をあてがいながら ゆっくりと上下に動かし始め 時折上目遣いで僕に視線を送る。 「ん…んぅ」 「あっ、舞衣、そんなにしたら…」 「気持ち…いい?」 柔らかな唇と舌の感覚が全身を突き抜ける。 「あ、ダメだ、舞衣…もう、出・・・るかも」 「…いいよ、いつでも、んっ!」 もうひとたまりもなく 僕はあっという間に。 「んんぅ…!」 「あ、ごめん……舞衣」 僕は大急ぎでティッシュを手渡した。 「ううん、無くても大丈夫」 「え、もしかして?」 ティッシュで口の周りを拭いながら 舞衣は悪戯っぽく微笑んだ。 「わたしでこんなに…感じてくれたんだ?」 「そりゃ、もう、舞衣だから」 「イヤじゃない?」 「何で?全然だよ」 「わたしでよかった?」 「舞衣だから、舞衣じゃなきゃダメだよ」 「ありがとう、今日はここまでしか出来ないの、ごめんね」 甘美な時間とは正にこのことだ なのに舞衣はどこか罪悪感すら 感じているように見えた。
/277ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加