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「ホントは…」
ー 今日!って決めてたことがあったんだ
コウイチくんもきっと同じ気持ちだよね?
「あ、え、っと…そ、そうだね」
「だからこんな体調なのが、凄く申し訳なくって、何か」
「気にしなくていいよ、機会はいつでも…」
そう言いかけた僕の目を見ながら舞衣は
「今日じゃないと…!!」
急に声のトーンが変わった舞衣に
僕は少し驚いた。
「あ…ごめんね、何か今日じゃないとダメな気がしたから、、、」
何か思うところがあったのだろう
それは舞衣の決心の表れだったのかも知れない。
「それにね…あっ!」
ふと思い出したように
舞衣はまだ下着一枚となったままの上半身を
そっと自分のブラウスで覆った。
「あはは」
「わたし、このカッコで熱弁してた…んだ」
外はすっかり暗くなっていた。
舞衣と過ごした濃密な時間のおかげで
美波との出来事はおろか
お昼ご飯に食べた焼き肉のことすら
忘れかけていた。
「暗くなってきたから送ってくよ」
「コウイチくん…」
「どうしたの?」
「今日ね…お泊まりしてって・・・いい?」
「え?大丈夫なの?体調は」
「うん…もう2日目終わるから…あ?リアル過ぎた?ふふっ」
「でも門限が…」
「それなら大丈夫…だって今日は実家に帰るからって外泊申請してるし」
「あ!そのままなんだ」
「そぉ、何か悔しくて取り消さなかったの」
「じゃあ、大丈夫だね!ゆっくりしてって」
「コウイチくん…」
「電気つけよっかなー?」
「もぅ!やだっ!」
舞衣との初めての夜はこうして
意外な形で始まった。
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