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ねえ、さま? 大和さんはニコニコしている。 「私のこと……知ってたんですか?」 「アメリカ時代、流夜兄さんからいつも聞かされてましたか 「あー! クソガキはうっせえなあ」 急に流夜くんが声を張り上げてびくっとしてしまった。 「ガキくせえ焼きもち妬いてんのはどっちだよ。咲桜姉様に逢わせてくれって何度頼んでも不意にしてきたくせによ。あれだろ? 俺が咲桜姉様に逢っちまったら俺に盗られるって心配だったんだろ?」 艶っぽい言い方をした大和さんは、ついっと私の顎に人差し指を当てて、斜めに持ち上げた。 斜(はす)に構える大和さんは色気満載。う、うわ……なにこれ迫力! 「咲桜に触んじゃねえ女恐怖症のくせしやがって! 『俺』に戻ってんぞバカ!」 「わざとに決まってんだろー? 女性は怖いけど咲桜姉様は大丈夫だ。兄さんもだろ?」 「咲桜だけ可愛いし大事だ! 他の奴はどうでもいい!」 「同意だ!」 ……あ、この人たち似た者同士なんだ。なんかわかった気分だ。
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