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京の都より南にある小さな村。
そこには昔から化け物が住み着いているという。
〝ヤマタノオロチの欠片から生れた化け物〟
そう人々は言った。
空は曇り続きでろくに作物も育たなく生活は苦しいものだった。
そこで村人達は何としてでもこの生活から村を守ろうと化け物に若い娘を生け贄として捧げ、空を晴らすよう申し出た。
すると見事に空は曇一つない快晴となり人々の暮らしは豊かになった。
数年が経ったある日、化け物が住み着いていた森から人が現れた。
その人間は生け贄として捧げられた娘と二人の子どもの姿であった。
一人は普通の人の子。
もう一人は額の一部に鱗のようなものがある子であった。
その娘はしばらくして亡くなり、残された双子の兄弟は自分達の母の育ての親の元で暮らすことになったのだが、村の者たちは双子を意味嫌っていた。
特に鱗がある兄は人ではないと言われ村から居場所をなくしてしまった。
そして兄は家を飛び出し自らが育った森に身を隠した。
唯一血の繋がった弟を置いて。
それから3年の月日が経ち、その森に迷い込んだ子どもがいた。
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