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4月。
高校入学。
「うっわ!キモッ!
ここまで来るとストーカーだね!」
心底嫌がる荊棘の隣を歩く僕。
仕事で入学式に来れない母の代わりに純子さんが親代わりを務める。
「じゃあね。」
そう言って手を振る純子さんとホール内で別れ、僕と荊棘はクラス順に席に着いた。
荊棘はA組だから一番前席。
僕はG組だから後席。
G組は保護者席を入れれば大体ホールの中間ぐらいの位置だけれど、ここまで離れてしまうと、小柄な荊棘を目視するのは不可能だった。
この学校は三年間クラス替えがないから、僕は絶対に荊棘と同じクラスにはなれない。
これで良かったんだと、ある意味それを良しと捉える僕と、やはり残念がる自分が混在する。
僕は一体何がしたいんだ…?
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