【1】私は荊棘

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翠はコンプレックスの塊だ。 それでも大好きなお菓子を断ち、初恋の子に一途に真っ直ぐに向かっている。 「真似するなら私にすればいいじゃない。」 剣がカーストトップでも、私だって負けてないくらいにカッコ良い。 「え?荊棘さんはカッコ良いけど小さいから。」 「はあ?」 「あっ、ご、ごめんなさい!」 シュンとすぐに顔を下げる翠。 ムッと口を一文字に閉じる私。 確かに私は身長が低い。 これまで一度だって背の順で前以外になった事はない。 ないけど…、 ないからって何なの? 「荊棘さんはとても可愛い人だから…、 だから僕は傍に居られるだけで幸せなんだ。」 ニコニコ。 翠はそう言って笑った。 .
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