【1】私は荊棘

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エクボがへこむ。 脂肪が多いからエクボができるんだと、それすらもコンプレックスの翠は、私がそのエクボに癒されているなんてきっと知らない。 言うつもりも更々ないけれど。 「荊棘さんは終夜くんと昔からの知り合い?」 「何で?」 「仲良さそうだったから。」 「は?どこをどう見たらそうなるの?」 「うん? だっていつもアイコンタクトしてるでしょ?」 「してない!睨んでんの!」 「でもお互い意識してる。」 「してません!」 「ねえ…、僕を終夜くんに紹介して? 荊棘さんの頼みならきっと終夜くんも聞いてくれると思うんだ。」 「は?嫌よ!」 「荊棘さん…、」 「絶対嫌!」 「荊棘さーん…、」 「嫌なものは嫌!」 「ねえ荊棘さん…、」 「嫌ったら嫌!」 .
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