【1】私は荊棘

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ドタドタと廊下に翠の足音が響く。 その前をイラつきながら歩く私。 翌日、私は翠を連れてG組の教室に向かっていた。 授業の合間の10分休み。 ヒソヒソと話す私たちの陰口を聴きながら、とにかく剣の元へと急ぐ。 「何度も言うようだけど、剣が断ったらジ・エンド。 私は一度しか頼まないからね!」 「わかってまーす!」 なぜかルンルンの翠。 私はそんな翠に腹が立ち、チッと舌打ち。 翠は剣の立ち振る舞いや言葉遣いを真似れば、自分はカッコ良く変われると信じて疑わないけれど、実際はどうなんだろう。 何一つ共通点がない二人。 しいて言うならば、身長だけは同じくらいか。 .
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