198人が本棚に入れています
本棚に追加
/814ページ
フッとカッコ良く決めに決めた台詞。
エスカレーター式を蹴って別の大学に進学する私。
翠はポカンと口を開けた後、意味を理解したらしい。
「ええっ!!」
「煩いな。」
「だ、だって荊棘さんがっ!!」
「もう決めてるの。
翠だけに教えたんだから誰にも言わないでね。」
私はサラリと答える。
大学付属のこの学校では、受験生でも気楽に過ごしている生徒が殆どだ。
翠は余りにショックだったのか、その後は無言で教科書を見つめていた。
放課後、校庭20周でさえ文句も言わず、ただ翠はひたすら走る。
私はテスト前の無人と化した校庭で、その走りをぼんやり見つめていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!