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「またデブを走らせてんのかよ。
おまえも大概ドSだな。」
すると背後から聞き覚えのあるいけ好かない声が近付いてきて、その声の主は許可もなく私の横に立った。
別に許可はコイツ以外は必要ないんだけれど。
「何?何の用?」
私は不快感を隠さず横を見上げる。
剣はそんな私をフンと鼻で笑った。
「さっきはよくもやってくれたな。」
テスト前日に学年一位の余裕なのか、剣はTシャツにバスパン姿。
体育館でバスケットでもしているんだろう。
「断れないあんたが悪い。」
「別に今からだって断れるんだぜ?」
「じゃあ断れば?」
翠には悪いけれど、私がコイツのご機嫌を取る筋合いはない。
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