【10】プロポーズ

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「それは今日が俺にとって何よりも重要な日だからだよ…。」 そして剣はどうしてか苦しそうに笑って、 「え?プロポーズ本番よりも?」 私の問いにコクンと小さく頷く。 私は驚きと動揺とで、パチパチと瞬きを繰り返し、ゴクンとカフェオレを飲んだ。 「俺にとって荊棘は…、 ある意味黒歴史で、ある意味青春そのものだ。 だから一番に報告したかったし、一番に祝福して欲しい存在なんだ。 だから気が許せるくらい仲良くなりたかった。」 「そ…、」 私は言葉に詰まる。 「荊棘からのおめでとうが、俺にとって何よりも大切で、そして、始まりだから…。」 この言葉の意味も、剣のその表情も、何一つ理解できなくても、 「わからないって顔してる…。 いいんだ…、わからないままでも。」 その重さだけは理解できた。 .
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