【2】私と剣の遠い日

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剣と初めて会った日の事を、私は覚えていない。 それは剣もきっと同じ。 私たちはそれ程までに幼い頃に出会っていたから。 互いが互いを認識した時、それは幼稚園の年長だったか、それも定かではないけれど、ただ、私は剣を綺麗な人だと思った。 よく一緒に遊び、ケンカをした。 もしかしたらケンカばかりだったのかもしれないけれど、この頃の私はまだ剣が嫌いではなかった。 『俺…、荊棘が好き。』 『え?そうなの?』 小学校に上がり、ある程度の学年になると、マセた子供たちは男女のお付き合いというものに興味津々だ。 それは私も剣も例外ではなく、 『剣は私のどこが好きなの?』 『お人形みたいなところ。』 『え?お人形?』 『うん。お人形みたいに小さくて可愛いところ。』 『ふ、ふーん…。』 小学生ながらに小さいのがコンプレックスだった私は、ここで少しばかり剣が嫌いになったのは言うまでもないが。 .
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