【2】私と剣の遠い日

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その小さい私が小学校の卒業文集で書いた将来の夢。 ファッションモデル。 まだ成長期だから大丈夫だと信じていたあの頃。 『俺たち付き合おうぜ。』 剣のこの一言から始まった男女のお付き合い。 今の私たちからは想像もできないくらいの甘々な日々。 中学一年から始まった駆け引き抜きの恋愛は、剣も私もケンカなど一度もしなかった。 『今日はどうする?』 『もちろんバスケ見てくよ。』 『なら体育館寒いから暖かい格好しとけよ。』 『うん。じゃあ剣のマフラー巻いとく。』 『ハハ、ヨダレ付けんなよ。』 コツン。 剣が優しく私を小突く。 中学からバスケ部の剣。 特にやりたい事がなかったから帰宅部の私。 そんな私は毎日のように剣の練習を見ていた。 .
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