【2】私と剣の遠い日

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それでも本気で剣に恋焦がれていた訳じゃなかった。 まだこの時はカップルごっこを興じていただけ。 『別れよう。』 『え…?』 けれど付き合って二年が経ち、この言葉で初めて自分の気持ちに気が付いた。 『荊棘…、おまえとは遊びだよ。 俺が本気で好きになる筈ないだろ。』 『剣…?』 『ホントは大っ嫌いなんだよ。 顔も見たくないくらい。 虫唾が走る。』 自覚してすぐに砕け散った私の心。 踏み躙られた初恋。 消えたい…、 今すぐ消えてしまいたい…。 こんな風に何もかもどうでもよくなるくらい傷付いたのは、あの一度だけ。 あの一度だけ。 .
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