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「こんにちは。
剣くん来てたんですね。」
私は部屋に入るなり白々しく剣に声を掛ける。
来ている事に気付かないフリをしつつ、作り笑顔を貼り付けて。
「荊棘さん、こんにちは。
今日も相変わらず可愛いですね。」
剣も心にない歯の浮くような台詞と作り笑いを浮かべ、私のこのヒラヒラフリフリした服を見ながら言った。
「ありがとう。」
ニコニコ。
今すぐ脱いでしまいたい。
この父好みのフリフリした服を着なければいけない私にとって、剣の言葉はどれも傷付く。
人形みたいな私が好きだと言った過去の剣は、もしかしたら父と同じ人種なのかもしれない。
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