【2】私と剣の遠い日

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今年70歳になる父。 母は41歳。 この年の差夫婦から生まれた私は、可愛がられ、厳しく育てられた。 それはまるで緩やかな檻に閉じ込められているような感覚。 けれどその扉を開くまであと僅かとなり、私は両親が思うよりもずっと大人になっている。 それに気付かない父の今日の目的は言うまでもない。 「そろそろ本題に入ろう。 今回のテスト結果を報告してくれ。 それぞれの点数、そして順位。」 父がこうして私と剣を呼び出す理由。 それは花厳家の跡取り問題の為だ。 .
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