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1章-11
「なんで私をこんなとこに呼んだんですか」
「なんでだと思う?」
「さっぱり見当もつきません」
「そうか」
本当にまったく見当がつかず考え込むような顔をしてみるが、この人は答えを言うような素振りはなかった。
少しむかつきを心の中で覚えながらも、海をぽかんとみていると段々と日暮れが進んでいて、海はオレンジ色に染まりかけていた。
「綺麗ですね」
「だろう、この景色が好きでよく来てるんだ。」
「1人で、ですか?」
「そんな不審な顔して言わないでくれ
他に連れてきた人はいないよ」
そうですかという顔をしてみるが、そのように言われることでの特別感は少しあるように感じられてしまった。
口角が上がりそうになるのを必死で阻止しているのを勘づかれたくはなかった。
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