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1章ー4
今日もいつも同様放課後になると図書室へと向かい課題や予習、復習などを済ませていた。帰るギリギリの時間までいる為の暇つぶしとして本を探していたが、さっきの課題などをしているときには彼がまた話しかけてくれるのではないのかというのを軽く考えてしまい不純であり不埒だと我ながら思った。
まあそんな考えは置いておいて、暇つぶしの本を探すのに尽力していると良さそうな本があったので手に取ろうとしたのち。
手が誰かと重なり誰だと思い顔を上げいたのは例の教師であった。
「あ……」
「どうも、岡田さん」
重なった手をスっと引っ込め、彼の顔をみながら今日が貴方のせいでいかに大変であったかを説明すると少し驚いた顔をしながらこう口を開いた。
「そうだったか、なんかすまないことをしたな。」
「えぇ、本当にすまないことですよ。」
「そこはもう少し引いていえいえみたいなこと言うところじゃないのか」
「そんなこと言うと人間だと思いましたか?」
「君、結構性格悪いだろう」
「勿論。」
そう言い返すと彼は背を屈ませ私の目をジッと見つめてきて小馬鹿にしたような笑顔を浮かべながら生意気だなと言い放ち、去っていった。
その一瞬は私を彼の虜にしかけるほどの威力は如何程か。そのパワーは傾国させそうな程であった。
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