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1章-6
その後図書館で会うこともしばしばであったが、彼が私に声をかけるのはまちまちであった。
なんて気分屋なのだろうか、腹立たしいのもよいとこだ。
こうやって弄んでいるのだろうか?
こうして何人もの子たちの心を惑わせてきたのだろうと少し想像し、心にじわっと広がる嫌な気持ちを感じた。
これは一体なんだろう、関わりを持ち数日しか経っていないのに嫉妬心なのか、なんなのか。
これが嫉妬心であれば、私は少し欲深い人間に変えられてしまったのかもしれない。
腹立たしいなと思いつつ、こうして染まっていくのはなんて単純かと自分呆れの心が募る。
「こんにちは、岡田さん」
驚いて身体をびくつかせ、ゆっくりと後ろを振り向くと、そこにいたのはあの人ではなく以前私にクラスがざわついていた際に誤解を解いてくれた彼であった。
「あ、あぁ……篠崎くん」
「ごめん、驚かせちゃった?」
「いや、大丈夫。
それにしても何か用?」
「んー、雨降ってきて部活も今日無くなっちゃったし暇だし来てみたらいたからさ」
「声掛けてみただけってことね」
「そういうこと、何読んでるの」
「秘密。」
「そっか」
この人私と違うタイプの人間すぎて苦手なんだというのは心に密かに留めて思うが、彼もそこそこ人気者であったはずである。
そんなやつがただのクラスメイトの何の用か。
言った通り、声をかけてみただけかもしれないがこんなやつに話しかけるのも気がしれない。
よくわからないやつに囲まれたものである。
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