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1章-7
「この前は誤解を解いてくれてありがとう。」
「あ、うん。俺の立場みたいのがこういうのやるとクラス内の平穏が保たれるしな。」
彼は自分の立場役割を理解しているためこのようにしてくれた、他意は無い、そんな感じがした。
正直若干の陶酔をあの彼にしている私は、今この人に好意を向けられても困るところである。
とかなんて言って自惚れていると、誰かに釘を刺され殴られるだろう。
「そうだね、君がやると助かる。」
「だろ?」
嫌味っぽくも聞こえるがこれが教室という小さな世界の正しさなのだ。
ヒエラルキーのトップが重舵を切ればしっかりと動く。
この仕組みに対して切られた舵がとんでもない方向であるとかそんなことでない限り、自分自身がどうこうしようとか改善しようだとか特に不平不満をたらしたことはない。
自分がその仕組みに組み込まれるよう頑張って上まで行けばいいだけの話であって、自分のしたいことは努力次第ということだ。
というどうでもいい持論を心の中でぶちまけていく。
「まだ帰らないの?」
「……もう少ししたら」
「もう少しって?」
「学校の居ていいギリギリまでいる」
「じゃあ、帰るまでいる」
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