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『迷わないでいけるの?』
「うーん。多分ね。」
『なさけな…』
「環奈、最後に杏奈に愛してるって伝えてくれ。」
『知らん。』
「かんなぁ……」
『……わたしには?』
「え?」
『わたしのことは愛してないの?』
おとうさんの体がふんわり黄色く光って
黒いアザがどんどん綺麗に消えていく。
「変な男には気を付けなさいよ。
環奈はかわいいんだから。」
『もー、最後にそれ?』
どんどん体が薄くなって
透けていく。
「環奈、愛し………」
弾けるように消えてしまった。
ほんとに……最後まで情けない。
ちゃんと言えし。
『環奈はお父さん大好きなのね。』
泣きじゃくる私の頭を、お母さんは優しく撫でた。
『うん…………大好き……………』
ひどいこと言ったり
素直になれなくてごめんね
ありがとう
おとうさん。
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