おとうさんは幽霊

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『うまく成仏できたみたいだね。』 自販機の前で桐生君に言われた。 『うん。色々ありがとう。 お礼になんか奢る。』 『別に俺はなんもしてないけど。 ただ、あの大女が最近ダチが元気ないって愚痴ってきたから…』 『えっ?もしかして平も霊感とかあるの?』 『そんなもん無くても、親友ならわかるんじゃん? あ。俺牛乳ね。』 ブレない桐生君にクスッと笑ってしまった。 『伸びるといいね。』 『は?』 『平より大きくなりたくて飲んでるんでしょ? 牛乳(ソレ)。』 『…………………………うるせーな。』 『あははッ。いーなぁ。青春だねぇ。 私も恋愛したーい。 ちょうどいいから誰か紹介してよ。』 『は?』 『どんくさくて、おせっかいで、気が小さくて 涙もろい人、知り合いにいない?』 『変な趣味だな。』 『あっ、平だ!おーい!!』 わたしの家族を紹介します。 お母さんとわたし そして天国にいるおとうさんです。 おわり。
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