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『おっす!環奈ァ!』
『おはよー。平』
『クラス分け見た?うちらまた同クラ~♪』
『まじ?やったじゃん!』
1番の仲良しの平とペチャクチャ話しながら新しいクラスに入った。
今日から新学年。
3年は受験生だけど
ま。高校なんか入れればどこでもいーし。
また平と楽しくバカやって………
『邪魔。』
不意に後ろから声が。
振り返ると、わたしより少し背の低い
わたしより綺麗な顔の男子が
さも迷惑そうな顔で睨んでいた。
『……なんだ桐生か。
小さくて見えなかったよ。ごめんごめん~♪』
平が鼻で笑った。
『……デカイ図体してんなら、せめてもっと周りに気を使えよ。チンタラ幅きかせて歩くな。大女。』
美少年も負けてない。
涼しい顔で言い返す。
『はぁ!?あんたがチビなんでしょ!?』
あー。こーなると平はめんどくさいんだよねー。
一歩下がって観戦してると
急に美少年の視線がこっちに向いて
スッと人差し指をわたしに向けた。
『お前、臭いぞ。』
『………えっ……』
え?く、くさ?くさい?
初対面の美少年に
臭い言われるって…………なんの罰ゲーム?
『死人の臭いがする。』
なにか
言い返さなきゃ……
なんでもいい!
バカでもチビでもなんでも……
誤魔化すんだ!
でも、結局何も言えず
予鈴が鳴って、美少年は教室に入ってしまった。
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