おとうさんは幽霊

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ついてった先は3階のあんまり使われてない階段の踊場だった。 『急に呼び出して悪かったな。』 振り向いた第一声がそれで 思わず吹き出してしまった。 『な、なんで笑うんだよ。』 『いや。桐生君ってもっと嫌な奴かと思ってたけど 案外普通なんだね。』 『当たり前だろ。』 『でも初対面で臭い言われたら、誰でも嫌な奴って思うし。』 『それは……悪かった。』 素直じゃん。 平と話してるときと全然違うし。 『柊』 『なに?』 『もう、単刀直入に聞くぞ? 柊は………もしかして見えてるのか?』 『見えてるって?』 『幽霊。……お前から、臭いがするんだ。 成仏してない……幽霊の臭いが。』
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