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『一般人の言霊には人を殺す力なんてない。
柊のお父さんの事故は紛れもなく悲しい偶然だ。』
そう言ってもらえるって分かってしまう自分が
ものすごく嫌いだ。
『ごめんね。泣いたりして。』
『……いや。』
『忠告ありがとう。
おとうさんがどうすれば成仏出来るのかわからないけど、とりあえず本人に伝えるね。』
『あぁ。』
教室で待ち構えていた平と女子達を適当に誤魔化した。
『歯に青のりついてるって教えてくれただけだよー。
教室で言ったらわたしが恥ずかしいだろうからって!
ちょっと勘違いしちゃって逆に恥ずかしいっていうね。』
『青のりかよ!』
『なんだぁ!そういうこと。』
『てか、桐生君紳士過ぎ。』
『ドンマイ、環奈ー。』
女子達の怒りは買わずにすんだ。
ん?
『平?』
平だけは、神妙な顔のまま。
『……環奈が話したくなったらいつでも話聞くからね。』
『……え…』
変な平。
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