563人が本棚に入れています
本棚に追加
第1話
────例えば、恋に似た始まりがあったとしたら……
それを恋と自覚する時が来るのだろうか。
もしも仮にそうだとしても、少なくともそれは今ではない。
「なぁ?もう一回しよ?」
「……ッ……ダメだっ……て……」
「いいじゃん、ほらここ触ってたらまた熱くなってきた……」
「……やめ……ッ……んッ」
求められ受け入れるのは契約で成り立っているからであって、こうして抱かれているこの行為に恋も愛も存在はしない。
「……ッ……ほら、すんなり挿った。あと一回出したら終わりにするからさ、付き合ってよ」
「……あぁ……んッ……じゃあ……早く……んんッ……約束守れ……よ……ッ」
そんな、少しだけ複雑な俺たちの関係……
「約束する……誰にも言わない。もちろん────アイツにも……」
それは、誰にも知られてはいけない身体だけの秘密の関係。
最初のコメントを投稿しよう!