第1話

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第1話

────例えば、恋に似た始まりがあったとしたら…… それを恋と自覚する時が来るのだろうか。 もしも仮にそうだとしても、少なくともそれは今ではない。 「なぁ?もう一回しよ?」 「……ッ……ダメだっ……て……」 「いいじゃん、ほらここ触ってたらまた熱くなってきた……」 「……やめ……ッ……んッ」 求められ受け入れるのは契約で成り立っているからであって、こうして抱かれているこの行為に恋も愛も存在はしない。 「……ッ……ほら、すんなり挿った。あと一回出したら終わりにするからさ、付き合ってよ」 「……あぁ……んッ……じゃあ……早く……んんッ……約束守れ……よ……ッ」 そんな、少しだけ複雑な俺たちの関係…… 「約束する……誰にも言わない。もちろん────アイツにも……」 それは、誰にも知られてはいけない身体だけの秘密の関係。
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