4脅迫

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「……あ」 「ご、ごめんなさい…」 「いや、こっちこそ悪かった。いきなり怒鳴ったりして」  声を必要以上に張り上げて威嚇。しかし振り向いた先にいたのは同級生ではない女子生徒だった。 「もしかして話しかけたりしたらマズかったですか?」 「うぅん、そんな事ないよ。ただ気が立ってただけ」 「は、はぁ…」 「俺に何か用事? てか用事あるからここにいるのか」 「まぁ…」  態度を翻して会話を進める。無実の人間に八つ当たりした身勝手さを反省して。 「その……どうなったのかなと思いまして」 「あぁ、失敗した」 「え?」 「説得するどころか共犯にされちまったよ」  包み隠さず素直に暴露した。ミッションが不達成になってしまった不甲斐ない結果を。
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