4脅迫

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「もしかして何か用事があるとか?」 「さぁ。ていうかそれは春華さんに関係ないじゃん」 「え~、そんな冷たい事を言わなくても。毎日お喋りしてる仲じゃないですか」 「昼に食い物を買って渡してるだけだし。ペットのエサやりみたいなもんだよ」 「まぁ! ペットだなんて酷い言いぐさ」 「……けっ」  辛辣な対応に対して対話相手が口元を手で押さえる。それが演技だと分かっているので遠慮なく睨み付けた。 「まさか噂の事を気にしてるとか」 「噂?」 「知ってます? 私達、交際してるんじゃないかって情報が同級生の間で広められてるんですよ」  目の前に端正な顔が近付いてくる。周りからの視線を気にしている素振り全開の表情が。
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