【11】Long kiss ××× Sleep tight

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×××  一方その頃、周防は自らの欲望と激しく戦っていた。もちろん眠っている陽向はそれを知る由もなかった。男は陽向の丸い丘のようなおでこを撫でながら一人呟いた。 「……ああ、色んなピヨたんを見たな」 「……着ぐるみ姿で踊ったり、タクシーで肩コロンしたり、びしょびしょになったあと冷え冷えになったり……俺の服を着て首を傾げて見せたり、宙吊りになったりしたこともあったな。挙句の果てには好きだと言って泣いたり」 「毛布で寝ようとか、寂しいとか……俺はもうキュン死寸前だ。寝顔もコールダックの赤ちゃんみたいに、ふわふわすよすよしていて可愛いし、神々しい。このままだと事を成す前に天に召されてしまいそうだ」  静かな寝室に男の低い呻き声だけが響く。なかなかのみっともない雄叫びだ。 「いや、せっかく懐いてくれたんだ。大事にしないとな。欲望を抑えてこその紳士、王子様だ。怖がらせてはいけない。時間はたっぷりあるんだ。ピヨたんが心地いい環境作りを心がけよう。まずは温かい布団に、美味しいご飯だ」  うんうんと頷く。 「ピヨたんが活き活きと生活できるピヨたんランドを作ろう。愛情たっぷり、衣食住を充実させて何不自由なく過ごせるハッピーストーリーを構築する。子作りは、それからだ」  陽向の白くぷっくりした頬にキスを一つ落とし、男は心底満足した。
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