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「とりあえずプールに行こう。施設の奥からチェックしたい」
「……あ、はい。そうですね」
お揃いの水着に着替える。本当はスパッツタイプがよかったが、周防が選んだのはショートボックスタイプ――ピタピタの短パンで股間が異様にもっこりするやつで、それも気恥ずかしかった。周防の張り出した股間を見て心臓がどくんと波打つ。いやいや、それなんかもう、もっこりしすぎだろ。平常時でそんななのか。
「上から下まで全部お揃いで……ゲイカップルみたいですね」
「事実だろう?」
「それは、そうなんですけど……」
周防は気にならないのだろうか。
陽向も別に、周防との交際の事実を隠すつもりはないが、まだ実感が湧かなかった。ゲイと言われてもよく分からない。男が好きなわけではなく周防が好きなだけだ。
「準備できたか?」
水着姿でタオルを肩に掛けた周防がこちらを振り返った。男の全容が見える。
――わあ、凄い……。
スポーツブランドのポスターのようだった。
手脚は長く、太腿には美しい筋肉がついていて、広い肩幅の下に滑らかな胸筋と六つに割れた腹筋が覗いている。見事な体だった。惚れ惚れしてしまう。
「凄い……腹筋がシックスパックですね」
「入中はぽよんとして可愛いな。ワンパックだ」
「ワンパック……」
大関かよと突っ込んで、それほど太ってないと訂正する。だが、筋肉がついていないせいで確かにワンパックな腹だった。
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