【12】優しく触れて (R18)

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【12】優しく触れて (R18)

 次の休みにプールへ行こうと周防から誘われた。  ハイランドレディの朝井とナレッジグループの秘書室長である赤羽が会員制のジムで密会していることが分かり、その癒着の現場を押さえるため、二人は前もってジムに会員登録することを決めた。  週末、二人はスポーツショップでトレーニングウェアと水着とタオルを買った。反論の余地もなく全てお揃いにされる。特に異論はなく、そのまま会員制のジムに向かった。  中に入るとスポーツクラブらしからぬラグジュアリーな雰囲気で、シンプルな黒の大理石のフロントの奥に、上品な制服を着たスタッフが立っていた。金属のネームプレートにはアルファベットで名前が記されている。適度な間接照明がなされ、気にならない程度の音でクラシックが流れていた。想像していたイメージと何もかもが違う。  フロントで入会の手続きを済ませてロッカールームへと向かう。  その間も周防は建物の中を細かくチェックしていたが、陽向は緊張のせいでそのことに気づかなかった。 「なんか凄く豪華ですね」 「そうだな。セキュリティもしっかりしている」  更衣室もロッカーも広々として大きかった。  周防がおもむろに服を脱ぐ。わずかにオスっぽい汗の匂いがした。迷いのない豪快な脱ぎっぷりにどぎまぎしてしまう。  考えてみれば周防の裸を近くで見るのは初めてだ。今まで何度も抱き合ってきたが、素肌で触れ合ったことは一度もなかった。  陽向は少しだけ脱がされたりもしていたが、凄くドキドキする。  思わず目を逸らした。
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