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チムチムとチェリーは仲が悪い
エントツを飛び出した二人はそのままソウジキのハッチへ飛び込んだ。乗組員たちは慌てふためいたが、二人はそんなのはおかまいなしで傷ついた装備を交換し始めた。そして再び地上へと飛び立った。
そこからはあっという間の出来事だった。新たに出現したエントツは全滅し、今日もまた地球は平和へ一歩近づき、任務は完了!
と、簡単にはいかなかった。
戦闘終了後、帰還したチムチムとチェリーは突如、艦内で電磁ブラシを振り回し、予備の電磁ブラシを含む装備の数々を強奪。そのまま逃走した。
「アタシたち、自分のペースでやってくから」
「追っかけてきたりしないでね?」
それが二人の残した言葉だった。
ジュリー艦長は困り果ててしまったが、頭をぽりぽりやる癖はその日以来治ったらしい。
こうして気ままなエントツ退治を始めたチムチムとチェリーは、みるみるうちにエントツの数を減らしていった。世界は平和に近づいていたが、世界の各所では二人が喧嘩している場面がしばしば目撃される。
最近、二人に関する新聞記事が出ていたが、見出しはこうだ。
「チムチムとチェリーは仲が悪い」
とはいえ、今でも二人は一緒なのだから、実際のところどうなのかは直接本人に聞いてみなければ分からない。
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