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「ちゅーしていい?」
「ふ、聞くのか?」
「許可制ね」
ここは春名のマンションのなか。二人きりなのだから聞く必要はないのに。そう思いながらも健気な春名に愛しさを覚えながら、小さく頷いた。
近づく顔にギリギリまで目を開けて春名の顔を凝視する。会いたかった。触れたかった。愛しさに胸を膨らませながらゆっくりと瞳を閉じた。
触れるだけのキス。確かめるようなそんなキス。
ちゅっと音を立て離れたあと、もう一度重なる。それを幾度も繰り返しながら、次第に深くなっていくキスに溺れていく。
すがるように春名の服を掴んだ。高められていく体に、自ら求めるように身を寄せて。
求めていたものを与えられる幸福感に満たされながら。
泣きたいくらいの幸せに心を震わせながら。
春名の温もりをただただ、感じていた。
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