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29. わだかまりの解消に向けて
春名に父親である三枝義紀からまた会いたいとの連絡が入ったのだと春名から連絡が来た。
学校はようやく噂話に飽きてきたのか多少の落ち着きが見られる。前園にたくした生徒会も順調に進み始めているという。
春名が登校すればまた一時的に好奇の視線などが復活するだろうが、初期の頃のような騒動にはならないだろう。春名もそろそろ登校する予定だった。
「雫にもついてきてほしい」
「俺は無関係なのにいくわけには」
「雫に側にいてほしいんだ。あの人と何を話せばいいのかわからない。なにがしたいのかもわからなくて、イライラするんだ。今まで放っておいたくせに今さらなんなんだって、詰め寄りたくなる」
「そう言えばいい。思ってるままにぶつかってみればいい」
正直にそう言った。春名は戸惑いに視線を揺らす。
思うところは色々とあるだろう。他人である俺にだってあるのだから。春名が憤りを感じるのも当然で、居心地の悪さを感じるのも必然だ。
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