30. 未来へ

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30. 未来へ

 春名はあれから、少しずつ父親である三枝さんと食事をしたりを繰り返している。三枝さんは、改めて会見を開きこれまでの事実を正直に話、これから先息子である春名ときちんと向かっていきたいと思っていることを真摯に話していた。  その事でまたしばらく熱が戻った報道だが、それもしばらくすればほとぼりがさめ穏やかな日々が少しずつ戻ってきていた。  前園率いる生徒会も順調そうだ。  しばらくして、武田の方から謝罪にやって来た。ネットの書き込みは自分がしたものだと正直に話してくれたのだった。  誰にも話すつもりはなかったが、匿名のネットならいいだろうと軽い気持ちで書き込んだものがあんなにも広まるとは思っていなかったと頭を下げてくれた。この事で武田自身も相当堪えたのが見てわかったため、これからこういうことは軽はずみにするものではないとだけ告げ、それ以上の追求はやめた。  しかし、俺自身の気持ちだけでは許すことはできないため春名にも確認をとったが、春名も俺が許すならとなにも言わなかった。  逆に、武田に対して自分も不用心で、不快な思いをさせてしまったと謝罪をしていた。
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