30. 未来へ

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 武田も、同性愛に理解はできなくとも、人としての春名を嫌いにはなってほしくなかった。  歩み寄ることはできなくても、少しでも嫌悪感を解消できたならいいと思う。 「俺、自分がどれだけ浅はかな考えばかりしてたかすごい思い知った。子供で、雫を振り回して巻き込んで、傷つけて最低だ」 「俺は傷ついたりなんかしていない。お前はもっと色々と知っていった方がいい。人の気持ちも、俺だけではなく、他の人間のことももっと知っていった方がいい」 「・・・・・・うん」 「俺も、人の気持ちはわからない。わかろうともしなかった。だが、今は理解したいと思う。それは春名、お前と出会ったからだ。だから、変わりたいと思う」  俺も十分すぎるほど自分勝手な人間だった。  回りのことを何一つ考えず、わかりあおうともしなかった。  でも、それではダメなのだ。
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