30. 未来へ

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「春名、ずっと一緒にいような」 「もちろん! 大学も一緒がいいな!」 「ならお前、勉強頑張らないと。俺は手を緩めたりはしないぞ」 「えぇ!? え、雫が目指してる大学って」 「ーー大学だ」 「え!? めっちゃ難しいところじゃん! え、今からって俺いけるの? ヤバイじゃん!」  あわてふためく春名を見ながら思わず笑ってしまう。  本当は高校を卒業したら働くつもりだった。でも、母が大学にいきたいならいっていいと背中を押してくれたのだ。  より良い就職をするためにも、いい大学にと思っている。そしてまた、母を助けられたらいいと思っているのだ。その場に、春名がいてくれると俺は申し分ない幸せの中にいられるのだ。だから、春名には少し頑張ってもらわないと。 「仕方ないから、勉強を教えてやる」 「ほんと!? ちょっと俺今日からがり勉くんになるから!」  気合いの入った春名は相変わらずかっこいいなと密かに思うのだった。 【おわり】
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