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急になんの話だよ、と目を丸くした氷室さんに、私は大真面目な顔で訴えた。幸運が続き過ぎてやばい、多分反動で死ぬ、と。
「へえ、ふーん」
こんなに真剣なのに、氷室さんは何故かニヤニヤ笑って相槌を打つ。
「だって私、こんなにラッキーが続いて、まるで確変中! ……きっとあとで、すごい酷い目に合うはずです!」
「はいはい確変ね。……で、その確変中、どんなラッキーが起きてんの?」
「そりゃあ、くじ引きで一等当たったでしょ! 旅行に氷室さんが一緒に来てくれたでしょ! 」
「うんうん」
「それで、今日1日ずーっと氷室さんといて! おまけに一緒に泊まることになって!」
「うん、そうだねー」
「今なんて氷室さんに抱…………あ」
……気づいた時にはもう遅い。
本人目の前にして、何言っちゃってんの!?
「ふーん。つまり亜矢ちゃんは、俺と一緒にいるとちょー幸せなんだ?」
「…………ええええっと……」
「幸せ過ぎて死んじゃうかも、ってくらい」
「うう…………」
ダメだ、今すぐ死ぬ! 恥ずか死するっ!!
「まあ大丈夫だよ、亜矢ちゃん死なないから」
氷室さんは楽しそうに笑って言った。
「だってそれ、確変中でもなんでもないし」
「……確変中じゃない、ですと?」
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