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「うん。一等はラッキー。でも、亜矢ちゃんが今日俺といるのは、確変とかじゃない。俺の意思。俺が、一緒に旅行したいからしてるだけ」
「…………ん? なんで?」
まるでぴんとこなくて、私は抱っこされたまま、はるか上にある顔をポカンと見上げる。それにしても身長差すごい、首痛い。
「なんでって……そりゃ、好きだからに決まってるでしょ」
好き? え、何を? 旅行を?
ワタシニホンゴワカラナイヨ。
「……ダレガナニ、スキアルカ?」
「いや、なんで急にカタコトなんだよ?」
氷室さんは呆れたように笑った。
「俺が亜矢ちゃんのこと好きアルよ。……って何この締まらない告白」
「……告白!? って、えっ! 私!?」
「そう。好きなの。亜矢ちゃん、好き」
氷室さんのまっすぐな瞳が突き刺さる。
え、氷室さんが、私を、好き……?
「わーっっ!!!!」
やばい、どうしよっ!!
今聞いた「好き」って声が、頭の中で魂のルフランしてる!
好き、好き、好き、すき、すき、しゅき、しき、しき、しき……え、死期!?
「ギャー! 死ぬ!」
「だから死なねーって」
まさか、氷室さんと両思いだなんて!
……人生、何が起こるかわからないもんだ。
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