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──今日はやたら疲れた。 ジェットカウンターは詰まるわ、オッサンが箱落としてホールを玉だらけにするわ、おばあちゃんがいちごミルク派手にこぼすわ、交換カウンターの機械が1台急に沈黙するわ。 ついでに、変なオバサンにイチャモンつけられるわ。負けてるからって八つ当たりしないでいただきたい。 「はぁー……」 やっと業務を終えて、事務所のソファにどっかり座った私は、また盛大なため息をつく。でもそこに、 「お疲れさん」 氷室さんの耳心地のいい声が飛んでくれば、急に元気になってしまうのだから、私も大概にげんきんな女だ。 「お疲れ様です」 「ね、バスツアー行く相手、見つかった?」 私の横に腰を下ろしながら、楽しそうに尋ねてくる。そういや、忙し過ぎてその件をすっかり忘れていた。 「いやいや、仕事してる間に見つかるわけないでしょう」 「だよねー」 自分で言ったくせに、氷室さんはカラカラと笑う。変な人だ。好きだけど。 それにしても、ペアチケット。うーん、本当にどうしたら……。 「じゃあ、俺が行こっか?」
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