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バスに置いていかれたのが私だけならいい。でも、氷室さんを巻き込んでしまった。 あまりに申し訳なさ過ぎて、いっそ自害したい。あと、ナガサワ呪いたい。 「私のせいで本当に本当にごめんなさい! 私のお腹で許してください!」 「お腹? なに、触らせてくれんの?」 「ち、ちがっ! お詫びに切腹を……」 「あはは、武士かよ。つーか、全然気にしなくていいって」 彼はヘラッと笑って答える。 「で、でも……」 「いいから。それより、体は楽になった?」 「あ、もう大丈夫です! 本当にありがとうございます!」 私が答えると、氷室さんは「よかったー」と緩い笑顔を見せた。 ツアーバスに置き去りにされたっていうのに、私の体の心配なんて。この人はどうしてこんなに優しいのだろう。バファ○ンより優しい。 それから私達は、近くの旅館に行って、なんとか帰路につく手段を尋ねた。しかし。 「ごの辺は電車もねえがらな、車じゃねえと」 「え、そうなんですか? 一番近い駅までバスとか出てないんですか?」 「ごの時間はもう終わっでるさ」 「……」 一番近い駅までバスで1時間かかるそうだ。しかも夜8時も回っていないというのに、そのバスももう終わっているらしい。 ド田舎も大概にしろや!
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