嫌いなものは嫌いと知ってくれ

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トリコノドン、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀の時代を生き抜いた原始的な哺乳類である。大きめのネズミのような外見をしている。恐竜が大地を支配する中で細々と隠れ生きてきた。だが、白亜紀の末には全滅してしまった。この絶滅さえ無ければ哺乳類全種の祖先として名を轟かせていたかも知れない。その座は白亜紀前期より現れたエオマイアに譲る事になってしまった。 名前の意味は臼歯の形状から「三つの丘がある歯」である。 エオマイア、白亜紀前期より現れた最初期の哺乳類である。胎内にて子を育てる最古の哺乳類とされている、しかし、見つかった化石の臀部が細かったことから、胎盤の機能は弱く、出産の成功率は低かったとされている。大きさはネズミと同等である。 名前の意味は哺乳類の始祖であることから「黎明期の母」である。 アデロバシデウス、先述の二種よりも前に生息していた真の最古の哺乳類である。見つかった化石は恐竜の糞の中で粉砕されたものしか見つかっていない事から食物連鎖のヒエラルキーは底辺だったとされている。哺乳類でありながら卵を生むことからカモノハシに近い生物とされる。その点から哺乳類の祖先と言う扱いを疑問視する学者もいる。 名前の意味は森に隠れ住み、恐竜を除けば生態系の頂点だったために「目立たない王」である。 彼らは恐竜から隠れひっそりとシダやソテツの森の奥で暮らしていた。だが、その森の奥にも敵はいた。 ゴキブリである。 ゴキブリの歴史は長く三畳紀よりはるか前の石炭紀と呼ばれる時代から存在している。その時代のゴキブリは今と違って50センチ程の巨大な大きさ(学名、アプトロブラティナ)で、主食は前述の三種のヒトの祖先たるネズミだったとされている。 「つまり、過去に僕らが人を捕食していたから、それがDNAに刻まれて人がゴキブリを恐怖するように出来ていると」 「そういうことだ。元は天敵だったらしいな、お前ら」 「でもそれおかしくないですか? 僕ら、猫によくグシャグシャバラバラにされて食べられるんですけど…… その人の祖先だって言うネズミは哺乳類全部の祖先でもあるんですよね? だったら猫だって、僕ら見た時に怖がらないとおかしいじゃないですか。猫の奴ら、僕らに対して恐れる気配すら無しに蹂躙してきますよ」
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