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夏がきた
夏がきた。
あつーい、あつーい夏がきた。
日本の夏は蒸し暑い。特に、梅雨があける辺りからはもう、降って地面に染み込んだと思われていた大量の雨が再び息を吹き返し…もとい、息を吹き上げサウナ状態である。
こればかりは何年年を重ねても慣れることはないだろう。
そして、更に詳しく暑さを気持ち的に助長させるものがある。
セミの鳴き声と、蚊の羽音だ。
あれはヤバい。
気づいてしまえば聞こえないはずなのに聞こえる。奴らは、いつでもすぐそこにいるのだ…
ホラー風味に言ってみる。
この季節、ホラーはいいと思う。
古いものから新しいものまで、常に新鮮な恐怖を与えてくれる。
古い映画の有名どころなど、何年もリメイクされているものも多い。勿論続編だって作られる。
近年ではゾンビ系やエイリアン系の海外ホラーも熱い。内容はゾクゾクとするものだが。
日本の作品は精神的にゾクゾクするものが多い。おそらく、気候がじめじめしているのでそれも反映されている気がする。
夏になれば日照時間が長くなる。
熱い時間が増えるのだ。動ける時間も増えるため、労働時間も長くなりがちな職も多いことだろう。イベントも毎週と言っていいほど開催される。
今年こそは熱中症で倒れる人がいませんように。
そう願いながら倒れる救急病院や消防の方もきっといるはずだ。
年寄りを注意して見ててあげてください。
そう注意する地域防災の若手の顔が真っ青。
きっと早朝から畑で労働に駆り出される若手農業者だ。畑の真ん中で倒れても、助けてくれる人はいない。最期には野菜の肥料にならなければいいが。
体力は無限ではない。
そんな暑い夏。
花火を見て、素麺とスイカを食べ、クーラーに頼り、涼しいコンビニに入り浸る、そんな夏。
そんな夏だからこそ忘れてはいけない相棒がいる。
そう。冷たいおやつだ。
ゼリーや水羊羹など「冷やして食べてね!」と書かれた製品が生ぬるかったら、泣く。
食べる方も、作った方も。
あいつらは冷えて食べられる為に生まれてきたのだ。
体をひんやりと満足させるには丁度いい。
そして冷たいおやつの代表メンバー。
アイスである。
氷である。
氷菓子と呼ばれるあいつら。
夏の間は「氷菓子さま」と呼ばなければならないと思う。
そもそも、氷菓子なんてものは人間が進化し知識を得て、発展しなければ誕生しなかったはずだ。
恐竜が凍ったものを採りに行くか?
あいつらは暑さに適応した。暑さに適応したから寒くなったら絶滅した。
人は生物の中でも例外的に「生息範囲が極めて広い」生き物だ。
ただしそれは「どんな所でもOKだ」という意味ではない。「どんな所でも住ませてください」精神なのだ。
適応する範囲には限界がある。その範囲を越えるのなら環境を変えればいい。周囲の環境を適応する範囲内に納めればいい。
といっても神様ではないのだから、人が手を加えるのもほんのわずかだ。わずかでなければただの「地球を食い潰す病原菌」としかにならない。
人が出来るのは体が耐えられるように助けてくれる物を摂取したり、ましな場所へ移動したり、得られたエネルギーで可能な範囲内気温を上げ下げする程度であろう。
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