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「こんな大きい子供を攫って何に使うのかしら。
そもそも可笑しいわよね。
私は女だけれど、性別関係なく小さい子の他に、君達中等部・高等部の年齢の男を攫ってどうするのかしら?
まあ私は学校に行けるお金なんてないけど。
てかそこの金髪君はどう見ても大人顔負けの高身長よね。」
13歳の少女は男達が一体何故攫われたのか理解できないとばかりに首を振る。
「お嬢さん分からないのか?」
実は自分が攫われた理由を目を覚ましてすぐに察することは出来た。
どうやら目の前に座る14歳の少年も把握していたらしい。
隣に座る14歳の少年からの質問に、
13歳の少女は考えているのかただ頭を横にふるふる振り、分からないから教えて頂戴と言わんばかりに首を傾げる。
こんな状況だが、13歳の少年少女は好奇心は旺盛のようである。
14歳の少年はそうかと頷き、攫われた時についた泥でドロドロだった顔を袖口で雑に拭き、顔から泥を拭い取る。
さっきまで隠れていた顔が表に出ると、そこには美形な少年が現れる。
大人になればきっと男前になるだろう、少し吊り目な瞳と、すっと通った高い鼻と、薄くも分厚くもないきれいな形をした唇だった。
まだ幼さは残っているが、学校に行っていれば引く手数多だっただろう顔つきである。
「そこのお兄さんなんか、まさに高値で売られるような容姿だろうよ。
濃い金色な質の良い長髪と、誰もが魅入ってしまう黄緑色の宝石のような瞳に、年齢からしたら長身ではあるようだけど、薄っすら橙色の健康的な肌に、俺よりも少し厚みのある血色の良い唇。
今は幼さが残っているから美青年だが、これ以上成長するようならさぞ男前な格好良い男になるだろうさ。
坊やなんかは蜂蜜色なふわふわのくせ毛に、大きく真ん丸な髪と同じ色の瞳と、分厚い淡い赤い色の唇に、真っ白い肌。そして今にも折れてしまいそうな肉付きはあるが筋肉のない細い体。
ついでに身長も低い。
売れない要素がどこに存在してるんだってくらいの美形率だな。
人身売買を生業にしているだけあって、おっさんの見る目は素晴らしいな。」
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