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「あ、そうそう、俺の護衛を紹介するのを忘れてたな。
この前おっさん等に攫われたとき一緒の荷馬車にいた14歳の少年。あの子剣も強そうだし、頭もよさそうなうえ、顔も格好良くなりそうと予想して護衛にしてみたんだ。
どこかで見た事がある少年だ、と思っていたら男爵家の次男だったんだ。
13歳の少年は、家が商人で手伝わなければいけないと言うことで無理だったが、少女の方は平民で、俺の友人にならないか聞いたら親に相談して良いって言われたらしく、同じ学校の中等部に入ってもらった。
学費等は俺が負担の条件だったけどな。
使わないから働いた分無駄にあるし。
俺の正体がわかっても臆する事なく挑んできて条件を出す。
引き際を見てそれで良いと手を結ぶ、俺の部下に欲しい人材だ。
魔法の才能もありそうだしな。」
レイモンドが誘拐以降眠れないのを知っていた国王陛下は、レイモンドが自慢気に話ているのを聞きながら頭をなでていると、安心したのか国王陛下の上で寝てしまった。
レイモンドが寝たのに気づいた国王陛下は、頭をしばらく撫でてあげたあと部屋に運ぶためレイモンドを運べそうな騎士を呼んだが、引っ張っても離れない。
王妃様が艶笑な何かを企んでいる時の表情を顔に浮かべ、添い寝をしてあげてはどうですか?と自分の感情に蓋をせず言ってくる。
国王陛下の認識では、最近王妃様や貴族のご令嬢の間で、格好良い男同士の戯れに萌えるという趣味が流行っているらしい。
そう思いつつも仕方なく横抱きで、レイモンドの部屋まで行く長く遠い廊下を歩き、レイモンドの自室にあるベットに運ぶ。
レイモンドが服から手を離さない事や、国王陛下を安全地帯として認識していることもあり昼寝に付き合う事にした。
いくら国王陛下の方が軽々と持ち上げる事ができるくらいには背が高く、筋肉があると言っても、歳的にもレイモンドの身長体重の問題もあり長い距離を運ぶのは大変だったのか、腰をググッと伸ばす。
ベットに寝ているレイモンドの隣りに体を滑り込ませ思案する。
起きた瞬間レイモンドがどんな反応をするかは楽しみではあるが、王妃様は一体何を企んでいるのやらと、今日中に起こるだろう事に深いため息を吐く。
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