第一章

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命「さてと、桜さんに仕事をお伝えしなければ。……桜さんは巫女の仕事ってどんなことをするか知っていますか?」 桜「えっと、御札などを渡したり舞を舞ったりするんですよね。」 命「その通りです。神子も同じですがここの神社は少し特殊です。ですからとりあえず服を着替えて本殿の案内をしましょう。」 桜「あっ、ありがとうございます。」 …………………………………………………………………………… ☆神子……神に仕える(未婚の)女性。神楽(かぐら)・祈禱(きとう)を行い、また、神託を伺い口寄(くちよせ)をする者。 …………………………………………………………………………… 桜「本当に巫女装束と同じなんですね。」 命「ええ、神子と巫女は同じ意味を持ちますから。……着きましたよ。ここが本殿です。ここには先程の閻魔様が祭られているのでもう少ししたら顔を出しに来られると思いますが……。」 …………………………………………………………………………… ☆祈祷……神などの人間を超える神格化されたものに対して、何かの実現を願うことである。 ☆閻魔大王……仏教、ヒンドゥー教などでの地獄、冥界の主。 冥界の王として死者の生前の罪を裁く神。 日本の仏教においては地蔵菩薩の化身とみなされ同一視されている。 閻王ともいう。 …………………………………………………………………………… 閻魔「おっ、やっと来たか。遅かったな。」 命「“やっと来たか”じゃありません。先程の威厳はどこにいったんですか?彼女に捨てられても知りませんよ?」 桜「あの…………」 命「すみません、迷惑をかけて。」 桜「いえ、あの……閻魔大王って思ってたよりも元気な方なんですね。……何かもっと怖いイメージがありました。」 閻魔「まぁ、君ら人間から見たらそういうイメージがあると思うけど今の時代はさすがにね(笑)」 命「確かに、そうですね。例えば、有名な方で言うと天照大御神様とかも人間界で暮らされていますもんね。」 桜「そうなんですか。…………私の仕事ってもしかして人間界に暮らされている神様との交流なんですか?」 命「その通りです。今では神様の名前を知らない方たちも増えてきています。その方たちと交流し悪戯などをする悪霊を静めてほしいのです。」 閻魔「そうそう。俺らって人間の信心によって成り立つものやから知らない人が増えるほど俺ら生きていけなくなるんや。」 桜「そうだったんですね。……分かりました。やってみます。」 命「ありがとうございます。……ではとりあえず、改めて自己紹介でも致しますか?」 閻魔「そうだな。(笑)」 桜「ええ、そうしましょう(笑)」 …………………………………………………………………………… ☆天照大御神………日本神話に主神として登場する神。 女神と解釈され、高天原を統べる主宰神で、皇祖神とされる。 『記紀』において、アマテラスは太陽神の性格と巫女の性格を併せ持つ存在として描かれている。 ☆悪霊……神話、宗教や小説における超自然的な悪しき霊。キリスト教や仏教など宗教ごとに意味は異なるほか地域ごとにも意味は異なる。たたりをする死霊を指す宗教もある。悪霊は、祟りや呪いによってわざわいの原因となると考えられているものである。 ☆信心……信仰心。また、信仰して祈ること。 ……………………………………………………………………………
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