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「アタシね?実は[2人に聞きたい事がある]のよ。」
「「・・・・・・[聞きたい事]?」」
とある平日の昼下り。
定期的に催されるようになった広場のフリーマーケットの事前準備の為か、午後は珍しくも客足が少ない店内でユエが面白そうに口を開いた。
話を振られた真琴とマヤは互いに小首を傾げ、ユエの言葉の続きを待つ。
「[太くて短い]のと[細くて長い]のだったら、2人はどっちが好き?ちなみにアタシは[太くて長いのが好き]よ♪」
「えっと、私は[細くて短い方が好き]です。」
「あら、そうなの?意外だわ・・・どうしてかしら?」
「えっ?だって、[口に咥えやすい]じゃないですか。私、あまり口を大きく開けれないですし。」
「へぇ〜、てっきり真琴ちゃんは[アタシと同じで太くて長いのが好きなのかと思った]わ。」
「[お前は迷惑防止条例で1回捕まった方が良いと思う]んだよ、俺は。」
ユエと真琴のやりとりを黙って聞いていた大和は、とうとう我慢が出来なくなったらしい。
少々辛めのツッコミをユエにくれてやった大和は呆れ気味に懐からキセルを取り出すと、それを口に咥えた。
[いつもなら真っ先にツッコミを入れそう]な漣は[既に大体の予想はついている]ようで、先程から我関せずの態度をとっているが、会話だけは[しっかりと聞いていた]。
「ったく・・・こんな真っ昼間に、なんつー話をしてんだよ。」
「あら?[昼間じゃなければいい]のかしら?それに[大和ちゃんは何か勘違いをしている]みたいね。[アタシが言ってるのはアレの事じゃない]わよ?」
「は?だったら、なんの話をしてんだ?」
「[広場に出店してる屋台の話]ですよ、[フランクフルトの]。フリーマーケットは明日からですけど、屋台は何店か開いてるんです。」
「まぁ、そんなこったろうとは思ったが・・・[これまた随分とベタなオチ]だな。」
[前回の教訓を活かした]のだろう・・・漣は努めて冷静にツッコミを入れる事に成功した
「え、えっと・・・わ、[わたしは細くて長いのが好き]なのです。ほ、[細い方が口に咥えやすい]ですし・・・そ、それに長い方が食べごたえもあるのです。で、でも・・・な、長いと[時々、喉の奥に詰まらせてしまう]のです。そ、それがネックなのです。」
「[マヤちゃんはそっちがお好み]なのね?・・・だそうよ、漣ちゃん♪」
「・・・なんで、ここで俺に話を振るんだよ?」
が、マヤの返答を[意味深に捉えたユエから満面の笑みで話を振られた]漣は、少しばかり冷静さを欠く事となった。
[なんの前触れもなく、突如として訪れるユエの戯れ]に、漣は少しばかり頭が痛くなる思いを味わう。
しかし、この時の漣はまだ知らなかった・・・自分が[この先、何度もユエから同じような目に遭う]という事を。
何気ない日常に刺激という名のスパイスを振り撒いたような・・・これは、そんなある日の戯れの一幕である。
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