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落ち込んでしまいそうな気持ちをどうにか奮い立たせて、俺は再び情報を整理し始めた。
ボス
・蘭玲が好き過ぎる。
・逃げた蘭玲を無理矢理連れ戻した。(颯懍から恨まれる)
・蘭玲の最期を看取る。
・自分の愛した女の忘れ形見である俺を育ててくれた。
・俺に跡を継がせようとした。(赦鶯とのイベント発生)
赦鶯
・[俺に対してだけ、ツンデレ]。
・ボスに自分を認めてもらいたかった。
・颯懍の怪しい行動に誰よりも早く気付く。
・ユエに仕事を依頼した。
・自分の名前の由来に気付く。
・その名前の由来通りに寛容な人間になろうとした。
と、まぁ、こんな感じか?
「[こういう結果を招いてしまったのは全てアタシが元凶]よ。だからね?[こんな事は言うべきじゃないって分かってる]の。分かってはいるけれど・・・ねぇ、タケルちゃん?貴方、[後半部分、少しふざけてない?]」
「あっ、やっぱバレたか?」
鬱々とした気分を紛らわせる為に[ワザとふざけてた]んだが・・・どうやら、少しふざけ過ぎてたみてぇだな。
ざっと情報を一通り整理し終わってペンを置く。
「絶対、死なせねぇって言っておきながら・・・結局、この様だよ。[出来ねぇ約束ってのはするもんじゃねぇ]な。俺、アイツに[何もしてやれなかった]・・・[何も出来なかった]。」
そして、その結果・・・赦鶯は[俺の目の前から消えた]。
いや・・・[赦鶯だけじゃねぇ]、か。
[今、名前を挙げた人間]は・・・[全員、もれなく俺の目の前から消えている]。
たった1人・・・[俺だけ]が[逝き損なった]。
今も尚、こうして1人のうのうと生き延びている事に[一体、なんの意味があるってんだ?]
この時の俺は[大切な人達を目の前で失い過ぎた]せいで・・・[己の存在意義を見出せなくなっていた]。
「[愛され過ぎるっていうのも困りもの]よねぇ。」
「なぁ?それ、今言う事か?」
頭ん中の情報を文字として表し、改めて今回の出来事を目視で確認してたら、ユエが[突然、訳分かんねぇ事を言い出した]。
「あら?[アタシの事じゃない]わよ?[愛され過ぎて困ってるのはタケルちゃんの方]じゃない。」
「・・・・・・[俺]?」
俺が愛されてる?
一体・・・[誰に?]
困惑した様子の俺を見て、ユエは妖しい微笑みを浮かべて言葉を紡ぐ。
こう表現すると、周りからは少し大袈裟だとか言われちまうかもしれねぇ。
でも、俺はこの時のユエとの会話で・・・[本当に心を救われた]んだ。
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