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「さて、と。今日から2人には[コンビを組んでもらう]わ。」
「「・・・・・・・・・は?」」
ユエの突然過ぎる発言に2人は揃って間抜けな声を洩らす。
間抜けな声を洩らした内の1人・・・サミーは定期的な情報収集と、その経過報告の為にユエの元を訪れていた。
そして、間抜けな声を洩らしたもう1人・・・ブライスは先日、ユエの元で世話になるという事が決まったばかりで情報屋としてはまだまだ新参者と言ってもいいだろう。
そんな2人を前にして、ユエはただ面白そうに妖しい微笑みを浮かべるだけだった。
「ちょっと待って、ユエさん。私も詳しい事はまだ聞かされてないけれど・・・貴方、確か[この人の身の安全を保障する]って言ってなかった?」
すると、ブライスより先に我に返ったらしいサミーが疑問の言葉を口にする。
「そういえば、紹介するのが遅れてたわねぇ。この子はブライスちゃんっていうのよ、サミーちゃん。[漣ちゃん同様にツンデレな子]だけど、[漣ちゃんよりかは扱いやすいハズ]よ。」
「扱いやすいって、なんだ?!」
「ブライスちゃん、この子はサミーちゃんっていうの。[漣ちゃんからヘタレ認定されてる]けど・・・まぁ、[ヤる時はヤる子]だから♪」
「ヘタレ認定って、何?!しかも、ユエさんが言うと[なんか別の意味に聞こえる]んだけど?!」
初対面同士の2人はユエの[インパクトある紹介で]すぐにお互いを認識した。
「サミーちゃんはアタシとおじ様の協力を得て、[人身売買組織と臓器の違法売買組織を追ってる]じゃない?」
「えっ?えぇ、そうね。」
妖しい微笑みを浮かべたまま・・・ユエは突然、話題を変えるとサミーに話を振った。
「下っ端とは言え、ブライスちゃんは仮にも[あの組織の一員だった]。しかも、向こうからしてみれば・・・ブライスちゃんは[機密事項の詰まったデータを外部に持ち出した]上に[アタシ達の仲間になった事で裏切り者として認識されているハズ]よ。だから、[ブライスちゃんは組織から命を狙われる事になってしまった]わ。」
まるで、現在の状況を確認しているかのように話すユエに、2人はただ黙って相槌を打つ事しか出来ない。
「経緯はどうあれ、[あの組織を追う]サミーちゃんと[あの組織の内部に多少は詳しい]ブライスちゃん。2人がコンビを組むのは・・・[ある意味、当然]だとは思わない?」
そう言って、ユエは話を締め括った。
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