第1章 第1幕 『芦堂の番長』

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「分かったら土下座しろ土下座。ほら早く」 「……」 反抗するのを諦めた高校生が、膝をつこうとしたその時だった。突然、ものすごい速さで芦堂の連中に向かってくる人影があった。そして次の瞬間、絡んでいた男が吹き飛んだ。 「ぐえっ……!」 「…………」 なんだ、あいつは……? 芦堂の奴を吹き飛ばしたのは、突如その場に現れた赤髪の青年だった。あの雰囲気、ただ者じゃない。なんなんだ、一体。 「てめ、よくもあっちゃんを!」 「舐めてんじゃねえぞコラ!!」 「ぶっ殺すぞ!」 「ちょっと面貸せやおい!」 取り巻きの連中が物凄い険相ですごんだが、赤髪の青年は涼しい顔をしていた。あの人数相手に、挑むつもりなのか……? 無理だ、いくらなんでも人数差がある。6,7人はいるんだぞ? 「うるせえなペラペラと。お前ら、芦堂だっけ?」 「だったらどうした!!」 芦堂の連中がそう答えた瞬間、また1人凄い勢いで吹き飛んだ。赤髪の青年の強烈なパンチによって。
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