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「分かったら土下座しろ土下座。ほら早く」
「……」
反抗するのを諦めた高校生が、膝をつこうとしたその時だった。突然、ものすごい速さで芦堂の連中に向かってくる人影があった。そして次の瞬間、絡んでいた男が吹き飛んだ。
「ぐえっ……!」
「…………」
なんだ、あいつは……? 芦堂の奴を吹き飛ばしたのは、突如その場に現れた赤髪の青年だった。あの雰囲気、ただ者じゃない。なんなんだ、一体。
「てめ、よくもあっちゃんを!」
「舐めてんじゃねえぞコラ!!」
「ぶっ殺すぞ!」
「ちょっと面貸せやおい!」
取り巻きの連中が物凄い険相ですごんだが、赤髪の青年は涼しい顔をしていた。あの人数相手に、挑むつもりなのか……? 無理だ、いくらなんでも人数差がある。6,7人はいるんだぞ?
「うるせえなペラペラと。お前ら、芦堂だっけ?」
「だったらどうした!!」
芦堂の連中がそう答えた瞬間、また1人凄い勢いで吹き飛んだ。赤髪の青年の強烈なパンチによって。
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